358TV日誌、12月6日火曜日。
358TV日誌、12月6日火曜日
朝
文庫本を一冊いつものようにポケットに放り込んで一日が始まる。毎日毎日毎日毎日リハビリテーション。事故以来の日課だ。事故当時と変わった点は、足の痛みが分かりやすく、首と腰に関してもお伺いを立てる方法を編み出した。泌尿器に関しても、日に三回、ちゃんと薬を放り込めば機嫌を損ねることがない、ということだ。
【心臓と左手】という派手なタイトルとは裏腹に、十分楽しめる短編ミステリー集。ミステリー小説に疎い358ではあるが、これは十分に楽しめた。多分この小説の前に前哨戦があるはずだが、それを飛ばしての二作目スタート。村上春樹で言うところの、最初に【羊をめぐる冒険】を読むようなものだ。
日課となっているカップに入れた味噌汁をすするも、やはりちゃんとした作りを経ずに味噌だけをスプーンで掬ってカップに放り込むというのは愚策。最高に美味しくない味噌汁になってしまった。
昼から
蕎麦を盛りで頂く。深くは聞かなかったが感触としては三割蕎麦といった所。蕎麦湯が恋しい。
そのまま、動きを早める。さらなる体へのリハビリを兼ねた動き。頭を使い、体を使い、心を使う。何でもそうだが、要するに気の持ちよう。慣れた作業ほど堕落することが多いというのが358の人生訓だ。
夕刻過ぎ。
小さな缶ビールを二つ選ぶ。
脳が欲しているのか、物語を夕刻から始める。
【東京タワー、オカンとボクと、時々、オトン】リリー・フランキーさんの作品。名前は知っていたし、コマーシャルなどで流れていたのもあってうっすらとした情報はあったのだが、これが読んでみて大した一冊である。
私小説。リリー・フランキーさんの人生がここには書いてある。これはきっと物語ではないと思う。
「笑いあり、涙あり」のフレーズ通りの展開。
この358も、この一冊を読んで猛烈に小説を書きたい衝動に駆られる。
外は寒く、
12月8日で358は3回目の歳男を向かえる。
いい頃合いじゃないか、などという感触が手の上にある。
本題
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