358TV日誌、1月19日木曜日。三本ローラー話。

怠惰する生活習慣を持ち合わせてしまった場合に、脳は新しい体験にとても敏感に反応する。素直にワクワクする。

三本ローラー。

自転車、とりわけロードバイクに乗る人間にとっての練習用の機材であり、その三本のローラーに自転車を置き、初めての内、中でも最初は特に恐る恐るそのローラーの上で車輪を回す。

すぐにでも出来るつもりであり楽に車輪を回す手筈でその予感を背に受けながら、自分でも驚くぐらいに大いに転げ回る。

三本ローラーから脱輪し、ひっくり返る。

ただ三つのローラーの上に自転車が置いてあり、普段と変わらない様に自転車に跨り、ただ回している筈なのに上手く順応できない。

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「よお、随分怠けて来たんだな、ま、仲良くやろうや」

幾分最初のうちの話で、慣れが発生し始めたら大胆にその上で自転車の車輪を回す。

ケイデンスは80前後、ジックリと両脚さらには内転筋の反応を見る。

5分、10分、20分。

冬場であろうと関係なく、有酸素運動に突入すると思い切り汗が吹き出始める。

ああ、この感覚。

怠惰する毎日の生活習慣に活を入れるこの感覚。

体も頭も「まだ諦めていない」事を告げる顎から滴る玉の汗が、新たに新鮮な緑の葉っぱを齎してくれた。

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